低価格なハイスピードカメラシステム「瞬間ハンター」

人間の目では捉えきれない、すばやい事象を観察しようとすると、これまではハイスピードカメラを使う方法が一般的でした。1秒間に10,000枚以上のフレーム(動画を構成するそれぞれの静止画。いわゆる「コマ」)を撮影することのできるハイスピードカメラを使うと、たとえば拳銃から発射された弾丸なども映像に記録することができます。

しかし特殊な部品で構成されるハイスピードカメラは、大型で高価な機材になりがちでした。また高速撮影を必要とするすべての方が10,000FPS(フレーム/秒)の高速性を求めているわけではなく、500FPSの速度で充分な方も少なくありません。そうした方にとって、従来のハイスピードカメラはオーバスペックな機材でした。

一方、工場などで使われる産業用カメラについては、ここ数年の間に高性能化と低価格化が急速に進んできました。10万円を下回る価格でありながら、500FPS以上の速度を持つものも現れています。そこで弊社では、一般的なWindowsパソコンに産業用カメラを接続して高速に動作させるソフトウェアを開発し、低価格なハイスピードカメラとして利用することができるようにしました。これが「瞬間ハンター」です。


(シャボン玉が割れる瞬間)

(散水ノズルからの噴霧の瞬間)

(クラッカーの発射する瞬間)

(水面に水滴の落下する瞬間)

(ポップコーンのはじける瞬間)

(マッチの着火する瞬間)

「瞬間ハンター」のシステム構成

「瞬間ハンター」は、本体パソコン・産業用カメラ・専用ソフトウェアの三つのコンポーネントで構成されています。


(クリックして拡大)

本体パソコンと産業用カメラにつきましては、下記の適合条件に合う機材をご準備ください。推奨機器を弊社で用意することもできますので、ご希望でしたらお申し付けください。

機材 要件
本体パソコン 64ビットのCPU(Intel Core i7-6700HQ以上の性能のものを推奨)
SSD(シーケンシャル書き込み速度が300Mバイト/秒以上のものを推奨)
Windows 7以降のWindowsOS
USB3.0インタフェース
産業用カメラ 独IDS社製の一部のカメラ(〜1,008FPS)
独XIMEA社製の一部のカメラ(〜500FPS)
UVC規格に対応したカメラ
※今後使用可能なカメラを増やしていく予定です。

本体パソコンに専用ソフトウェアと産業用カメラのドライバをインストールし、産業用カメラを接続すると、ハイスピードカメラシステムが完成します。


専用ソフトウェアには、次の2種類のライセンスを用意しております。ご購入の際にお選びください。

ライセンス パソコンの制限 カメラの制限 価格(税抜き)
通常ライセンス 初回のライセンス設定を行ったパソコンでのみ使用可能 なし 120,000円
バンドルライセンス 初回のライセンス設定を行ったパソコンでのみ使用可能 初回のライセンス設定時に指定したカメラのみ使用可能 80,000円

ご購入いただいたライセンスは無期限でお使いいただけます。また「バンドルライセンス」は、差額のお支払いによって「通常ライセンス」にアップグレードすることもできます。

「瞬間ハンター」の特長

「瞬間ハンター」は、次のようなユニークな特長を持っています。

特長 説明
高速撮影が可能 使用するカメラの性能によりますが、VGA解像度(640×480ピクセル)なら500FPS、QVGA解像度(320×240ピクセル)なら1,300FPSを超える高速撮影が可能です。カメラとパソコンを適切に選ぶと、VGA解像度で1,005FPS、QVGA解像度で2,564FPSの撮影も実現できます。
操作が簡単 パソコンにカメラを接続し、画面にある「撮影」ボタンを押すだけで映像を記録することができます。簡単な操作なので、どなたにでもお使いいただけます。
トリガタイミングの選択が可能 「撮影」ボタンの押された時刻を基準とし、直後の映像を記録する「スタートトリガ」、前後の映像を記録する「センタトリガ」、直前の映像を記録する「エンドトリガ」を使い分けることができます。
自動スローモーション 撮影した映像には自動的にスローモーション処理を行い、互換性の高い30FPSの動画として記録します。高速撮影された映像にあらためてスローモーションをかける必要がなく、撮影したその場で詳細に観察することができます。
低価格 「バンドルライセンス」を選べば、産業用カメラとソフトウェアを合わせて20万円以下。高性能パソコンと合わせても50万円以下。これまで敷居の高かった高速撮影をとても手軽に利用することができます。

「瞬間ハンター」の応用分野

パソコンの手動操作によってトリガをかける「瞬間ハンター」は、発生する時刻や場所を予見することのできる事象の撮影・記録に適しています。すでにハイスピードカメラをお持ちの方が、ニーズ集中時の予備品としてご購入くださるケースもございます。

分野 用途
自然科学 物理現象(流れ、沸騰、振動など)の観察に
生物の行動(飛翔の様子、着地の様子など)の観察に
ものづくり 機械(紙工機械、フィルム機械、繊維機械、食品機械など)の動作確認に
試作品(電気製品、自動車部品など)の動作確認に

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